タカサゴフヨウ(№158)

 フヨウによく似た小さな花をつけ、葉は細長くギザギザの縁をした小木がタカサゴフヨウ(ヤノネボンテンカ)です。
 7月頃多数の蕾をつけますが、一向に花が咲かないと言われることがあります。これは、開花初期の蕾は開花せず、蕾の中でめしべと花粉が受粉し(自家受粉)、種子を作る閉鎖花が多いためでしょう。
開放花(花弁を開く花)は、1日花で、開花直後は虫媒を期待し、めしべは直立、おしべはその下の方にあり自家受粉を避けています。しかし午後には花柱(めしべの軸)が下へ垂れ下がり自家受粉をします。
 タカサゴフヨウの花には閉鎖花、虫媒花、自家受粉と子孫を残すためにいろいろな工夫を見ることができます。
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▲タカサゴフヨウの花
▲閉鎖花と開放花の果実
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▲朝の花(雌しべと雄しべ)
▲夕方の花(雌しべと雄しべ)

ルリチュウレンジバチ(№159)

 ヒラドツツジの葉が、葉脈だけを残して何者かに食い尽くされています。その周りには、青藍色の小さなハチが飛び回っていました。
 このハチは、ルリチュウレンジバチといってアシナガバチなどと違って腰のくびれていないハチの仲間で、触角が3節しかないのでミフシハバチ科と呼ばれます。
 ツツジ、サツキ類の大害虫で、葉縁裏面に産まれた卵から幼虫が孵化し、初期は集団で食害します。大きくなると徐々に分散して食害を続け、葉脈だけを残して丸坊主にしてしまいます。幼虫は、腹部をねじったり、上に持ち上げたり特異な行動をとります。老熟幼虫は土の中で蛹になり、秋に蛹になったものはそのまま越冬します。
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▲ルリチュウレンジバチの被害と産卵痕(葉縁)
▲ルリチュウレンジバチ成虫

コブマルエンマコガネ(№157)

 山や林に住む生き物たちは毎日のように糞を出し、中には死ぬものもいます。ところが、これらの糞や死骸が山積みになっているかというとそうでもありません。それは獣、鳥、昆虫、目に見えない菌など多数の掃除人がいるからです。
 昆虫のコブマルエンマコガネもその中のひとつです。分類上の科はスカラベ(糞ころがし)の仲間です。この虫は、体長5~10mmで、黒く小さな目立たない昆虫です。拡大してみると、頭に1対の角を持ち、オスの胸の中央がえぐれ両側に三角形の突起を持った、2角獣に見えます。主として動物たちの糞で団子を作り、その団子で子供を育てる糞掃除屋さんです。
 比較的街に近いところで生活しており、公園などでよく見られます。
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◀コブマルエンマコガネ(オス)

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