ゲンノショウコ(№200)

 民間薬として有名なゲンノショウコの花が咲いています。この花には紅、白、淡紅色がありますが、関西では白が有効といわれ白花が採取され、関東では紅花が好んで採取された結果、関西には紅花が、関東には白花が多く残ったといわれています。薬効は紅白変わらないそうですが・・・。すぐに効果が出ることからゲンノショウコ(現の証拠)と呼ばれ、効果が高いことからイシャイラズとも呼ばれます。
 雄性先塾の花ですが、雌しべの時期になると柱頭は5裂し長い柄の付いた5個の果実ができます(写真右上)。この柄は、湿度が高いと長く伸びた状態ですが、乾燥するとくるりと巻き上がります(写真左下)。この運動により種子が弾き飛ばされます。果実の柄が巻き上がった状態が神輿のように見えるので、ミコシグサと呼ばれます。

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▲ゲンノショウコの花(赤花と白花の混在)
▲ゲンノショウコの果実
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▲種子散布後のゲンノショウコの果実

チャタテムシ(№201)

 秋まき種子のパセリを蒔こうとしたところ、パセリの種子袋から種子以外の黒い粒がパラパラ出てきました。それだけではなく、褐色の小さな生き物がごそごそ動いています。
 この虫はチャタテムシ(の1種)で、普通一般家庭では多かれ少なかれ居候の地位を確保しています。野外にもたくさんのチャタテムシの仲間がいますがこれはほとんど有翅ですが、屋内にいるのは大部分が無翅です。写真のチャタテムシは主としてカビ を食べていますが、乾物、標本などの有機物も食べます。非常に身近な昆虫ですが、大発生したときに不快害虫として扱われる程度しか問題にならないためか、研究者が少なく、種類や生態などわからないことがいっぱいです。しかし、種子を食べたり、チャタテムシを食べるツメダニが発生したりと実害もあるように思うのですが。
(*写真をクリックすると拡大されます)
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◀パセリ種子を食害するチャタテムシ

クスサン(№199)

 10月になると、夜も点灯されている照明に大型の蛾が集まりだします。左の写真は、野外レクレーション施設のトイレの壁にとまっていたクスサンです。
 クスサンは開長10cm以上の大型の蛾で、ヤママユガの仲間です。幼虫はクリ、クスノキ、イチョウなど多種類の樹木を食害し、5令以上になると青白色の体に白い長毛を持った体長8cm以上の毛虫となります。
 ところで、この写真の左下、クスサンの左わき腹あたりに黒いものが見られます。拡大してみますと、なんとヨコヅナサシガメ(肉食)の幼虫がクスサンの太い腹に口を刺し込み体液を吸収しているではありませんか。太っ腹のクスサンにとって、ちいさなヨコヅナサシガメが少々体液を吸っても応えないのか黙って吸わせていましたが、やがてサシガメを振り切って飛び去りました。
(*写真をクリックすると拡大されます)

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◀ヨコヅナサシガメが吸汁中のクスサン

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