オオオナモミ(№203)

 日本には在来種のオナモミがありましたが、1929年岡山県に北米からオオオナモミが侵入し全国に広がり、今では通常見られるのはオオオナモミとなりました。
 草丈0.5~2.0mでその果実(総苞が大きくなったもので果苞と呼ばれます)には、先の曲がった棘が多数付いており(写真左下)、動物の体について遠くへ運ばれます。よくひっつき虫と呼ばれ、子供たちが投げ合って友達の衣服にくっつけて遊ぶことがあります。
 果苞を割ると中に大小2個の種子が見られます(写真右上、右下)。この2個の種子は、それぞれ休眠期間が異なります。つまり、発芽のタイミングをずらすことでオオオナモミの生育に不適な自然環境に対し順応できるのでしょう。
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▲オオオナモミ
▲オオオナモミ種子(断面)
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▲オオオナモミ種子(断面)
▲オオオナモミ種子表面の鉤

エンマコオロギ(№202)

 夏には夜だけ鳴いていたコオロギも秋になると昼間にも鳴くようになりました。その声も12月になるとまったく聞こえなくなりました。
 写真のコオロギはエンマコオロギで、体長26mm~32mm、国内では最大のコオロギです。目の上の眉のような模様が閻魔様に似ているところからエンマコオロギと呼ばれます。雑食性で、小さな虫や草などを食べますが、野菜や花の苗を食害することもあり嫌われることがあります。
 エンマコオロギの左前翅裏側にはヤスリ状の部分が見られ、前翅を立ててこの部分をこすり合わせて鳴きます。鳴く虫は耳を持っているはずです。エンマコオロギの耳は前脚脛節(前足のすねにあたる部分)にある小さなくぼみ(写真円内)が耳の役目をしています。
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◀エンマコオロギ(円内が耳)

アオメアブ(№204)

 脚で何かを抱えたような変な虫が飛んでいました。すぐに草の上に止まりましたが、非常に綺麗な青い目をしています。 ハエ目 ムシヒキアブ科のアオメアブです。この青い目は、光の加減で、緑からオレンジまで光り輝くように見えます。
 飛びながら獲物に襲い掛かり抱きかかえるようにして捕まえるため、脚には鋭い棘が生えています。獲物をしっかり押さえ、口を差し込んで体液を吸い取ります。この写真の犠牲者は、シジミチョウかハゴロモのようにも見えます。
 普通、昆虫は4枚の翅を持っていますが、アブの仲間は前翅2枚しかありません。後翅2枚は退化し短い棍棒のようになっていて、平均棍と呼ばれます。下の写真(円内)はウシアブの平均棍です。飛ぶときは体のバランスをとることに使っているのでしょう。
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▲写真上:ウシアブの平均棍
▲写真左:アオメアブ

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