アカボシテントウムシ(№225)

 梅の木の剪定をしていると、枝に奇妙な物体を見つけました。背中が裂け、短い毛を密生させた異様なもので十数個がかたまっていました。
 アカボシテントウムシの蛹です。梅の木に、直径1mm程度の褐色の丸いものがつくことがありますが、タマカタカイガラムシで、アカボシテントウムシは成幼虫ともに
このカイガラムシを食べる天敵です。成虫は、カイガラムシの殻の中に産卵します。カイガラムシを食べて大きくなった幼虫は、終令幼虫の脱皮がらの中で蛹になるため、写真のような異様な状態となります。また、羽化したての成虫の翅は黄色く、赤点をもった黒い翅になるのに2,3日かかります。
 梅の木にこのテントウムシがいたらカイガラムシを食べてくれる天敵ですので大切にしてあげましょう。
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▲タマカタカイガラムシとアカボシテントウムシ
▲アカボシテントウムシ成虫

クルミヒラタハムシ(№223)

 オニグルミの葉に、体長5~7mmで、黒色、胸の両端が黄色の甲虫がいました。
 これはクルミヒラタハムシの成虫です。クルミの木の大害虫で、成虫も幼虫もくるみの葉を食害します。大発生すると、クルミの葉脈だけを残して食い尽くすこともあります。この写真の腹が異常に大きいのは多数の卵を腹に持ったメスです。その腹の上にいるのはオスです。幼虫は、葉の裏に尾端でぶら下がった状態で蛹になります。
 この幼虫をねらう大型のテントウムシがいます。それは、赤と黒の模様を持った光沢の有るカメノコテントウです。カメノコテントウは成幼虫ともクルミヒラタハムシの幼虫を食べる天敵です。
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◀クルミヒラタハムシ成虫(下:雌、上:雄)

マタタビ(№224)

 6月下旬から7月にかけて、山地に入ると木の葉が白く変色した樹木を見ることが出来ます。この木はよくご存知のマタタビです。
 マタタビには雄しべ・雌しべを持った両性花をつける両性株、雄しべと花弁をもった雄株、雌しべのみで花弁の無い雌株が存在します。いずれの株も、開花期にはツルの先端の葉数枚が白化します。この白化現象は、ハンゲショウの白化と若干異なる点が観察されます。ハンゲショウの花は花弁をもたず、花粉媒介昆虫を誘引するために、花のすぐ傍の葉が白化し、白化した葉が花弁の代わりをすることが考えられますが、マタタビではツルの先の葉が白化し、花はそれより下部に開花します。しかも、雌株をのぞいて白くて目立つ花弁をもった花を開きます。しかし、花が終われば白化した葉は緑色に戻ることから、昆虫を誘うための白化と考えられます。おそらく、株全体を目立たせ、昆虫にアッピールしようとしているのでしょう。それでは、花弁をもたない雌株では白化する葉が両性株や雄株と比べて多いのでしょうか。どなたか調べてみませんか。
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▲マタタビの木
▲白化したマタタビの葉
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▲マタタビの両性花