マツカサ(№246)

 左上の写真はコーヒービンに入ったマツカサ(マツの球果)の写真です。このコーヒービンは入り口が小さく出来ていますが、中に入っているマツカサはビン一杯に広がり非常に窮屈そうですね。
 このビンの口から、マツカサを中へ入れるにはどうすればいいでしょうか。①マツカサが小さいうちにビンの中へいれ、そのまま成長させる。②マツカサをバラバラにし、ビンの中で貼り合わせて組み立てる。③無理やり押し込む。④ビンの裏側をくりぬいてマツカサを入れ、表から写真を撮る。全て間違いです。
 右上の写真は、左下の写真と同じマツカサです。右上のマツカサは乾いた状態で直径は6cm以上あります。左下のマツカサは、右上のマツカサに水をかけ湿らせた状態で直径は4cmです。つまり、左下のマツカサをビンの中に入れ、乾燥させれば上の写真のようになります。
 マツカサの種子は一つずつの小片(鱗片)の基部にありますが、天気の良いとき(乾燥したとき)には小片が開き種子が飛び出しますが、雨の日には小片がすぼみ種子は外へ出られません。これは種子を条件のよいときに散布させようとする松の工夫の結果ですね。
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入口の狭いビンに入ったマツカサ
乾燥時の同じマツカサ
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湿潤時の同じマツカサ

コカクモンハマキ(№245)

 1月、季節外れの暖かな日に団地の階段室にハマキムシの成虫を見つけました。この仲間には、チャノコカクモンハマキ、リンゴコカクモンハマキ、ウスコカクモンハマキ、チャハマキなどがいます。翅の模様には変異が多く、正確な同定は困難な仲間ですが、通常、冬を幼虫で越し成虫が出るのは4~5月のはず。せっかちな1匹なんでしょうか。
  広食性でブドウ、ナシ、カンキツ、カキ、チャなどの農作物の害虫として農家の皆さんには嫌われていますが、農作物だけではなく多種類の庭木の新芽にも寄生する厄介者です。
 下の写真は、ハマキムシによるチャの被害状況を写したものです。コカクモンハマキは数枚の葉を綴り合わせ、その中に潜みながら葉の食害を続けます。綴り合せた葉の中で蛹になり4~5月に成虫になります。
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コカクモンハマキ成虫
コカクモンハマキ成虫
茶のハマキムシによる被害

サザンカ(№244)

 冬の花木の代表は、なんといってもサザンカの花です。学名をCamellia(ツバキ属) sasanqua(ササンカ)といい、10月~12月に開花しますがサザンカの咲くころには雨が多くサザンカ梅雨(11月5~20日頃)とも呼ばれます。
 さて、1月になると、サザンカによく似たツバキ(Camelliajaponica)が開花を始めます。童謡の「たきび」には冬の花としてサザンカが、演歌「釜山港へ帰れ」にはツバキが春の花として歌われているように、サザンカは冬、ツバキは春の季語になっています。
 この2つの花は、開花時期以外にもツバキでは雄しべが基部で筒状にくっつき、落花も花全体が落ちますが、サザンカでは雄しべはバラバラ、落花も花びらがバラバラに落ちる等の違いが見られます。また、蕾はツバキではつるっとしていますが、サザンカでは短毛が密生しています。
 カンツバキと呼ばれるものはシシガシラの関東での呼び方で、サザンカとツバキの雑種らしく、サザンカに近い園芸品種といわれています。開花時期はサザンカと同じく冬で、落花も花弁がバラバラと落ちます。
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サザンカの雄しべ (雄しべは基部でくっつかない。)  
サザンカの落花(花弁がバラバラ)
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サザンカの蕾
ツバキの蕾

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