オオバコ(№92)

 山に登る人は、疲れきって下山中にオオバコを見つけてほっとした経験があるのではないでしょうか。オオバコは人の生活圏と切り離せない雑草だからです。つまり、オオバコが生えていると言う事は民家が近いことを意味するからです。なぜでしょうか。
 オオバコは夏から秋に花を咲かせ、結実します。この種子の伝播がちょっと変わっています。と言うのも、人の靴の裏、牛馬車の車輪(今なら自動車のタイヤ)にくっついて運ばれるからです。このくっつく仕組みですが、写真右上の種子が地上に落ち、雨などで水分を得ると左下の写真のように種子の表面に粘液を出し、この粘液でくっつくようになります。発芽したオオバコは、踏みつけられても枯れずに生長します。他の草は踏まれて枯れるため、オオバコだけが残ります。一方、踏みつけられることの無い場所では、他の草が早く生長し、丈の低いオオバコは日陰になって生長できなくなります。
 中国では車前草と言われます。
 学名Plantago asiatica L.のPlantagoは「足の裏で運ぶ」の意味です。
(*写真をクリックすると拡大されます)

 

▲オオバコ
▲乾燥種子
▲吸湿種子(粘液にくるまれている)


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