カギカズラ(№80)

 カギカズラは京都の松尾大社を北限とする南方系の常緑つる性木本です。
 ネコヅメカヅラとも呼ばれ、その名前が示すように、枝が変化した硬くて強いカギを使って他の植物にしがみつきながら上へ上へと伸びていくのが特徴です。このカギは写真でもわかるように、1番目の葉腋(葉の付け根)には生じません。2番目の葉腋に1個、3番目に2個、4番目に1個と0-1-2-1-2-1・・・と規則正しく生じます。
 この植物のもう一つの変わった点は、若い茎の断面が四角形をしていることです。更に切り口に見える髄も四角形をしていますね。
 カギは切り取り乾燥させて、漢方の釣藤鈎として鎮痛、鎮静、降圧などに利用されます。これは成分のアルカロイドであるリンコフェリンによるものです。
  何の変哲も無いと思っても、このように細かく見るといろいろと面白いことが発見できますよ。
▲カギカズラのカギ
▲カギカズラの花
▲カギカズラの若い茎(断面)


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