フタスジサナエ(№73)

 八重サクラの花がまだ残っている4月下旬、ムシ屋仲間とトンボを見に出かけました。トンボと言えば夏から秋の昆虫と考えられますが成虫で冬を越す種類もいますし、3月になれば新しい成虫も出てきます。早春の蝶は話題に上がりますが、早春のトンボが話題にならないのはちょっと寂しいですね。
 この日は寒い1日でしたが、溜池を見て回りました。その中の一つで羽化最中のフタスジサナエを見つけました。見つけたときはまだ翅も伸びていませんでしたが、30分もするうちに翅が伸びだしました。
トンボの羽化は直立型(ほぼ水平面で羽化。背中が割れ、虫体が垂直に立ち上がるタイプ。)と倒垂型(垂直面で羽化。背中が割れ、虫体が頭を下に反り返るタイプ。)に分けられますが、フタスジサナエは前者の直立型です。
 水際で羽化し、翅が伸びるにしたがって上へ這い上がってくるのが観察されました。このトンボは5月を中心に活動し6月にはいなくなる早春のトンボと言えるでしょう。
(*写真をクリックすると拡大されます)

▲羽化直後のフタスジサナエ
▲羽が伸びだしたフタスジサナエ


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