ヤノイスアブラムシ(№74)

 イスノキと言う名の樹木があります。何の特徴も無い普通の木ですが、葉に多数の虫嬰(ゴール、虫こぶ)をつくるためイスノキということがわかります。
 このコブは新葉が開くと間もなく発生してきます。このコブをイスノハタマフシといいます。4月上旬、新しいコブを割ってみますと、中は空洞で、その中に0.5mm程度の淡黄色の虫が1匹見つかります。これがヤノイスアブラムシです。このアブラムシはコブの中で1匹(メス)だけで子虫を産みどんどん増えます。6~7月頃に葉の裏側の中央部から、翅を持ったアブラムシの成虫がたくさん飛び出し、ナラなどの木(中間宿主)で夏を過ごし秋に交尾したメスがイスノキに産卵します。
 イスノキには他にイスノフシアブラムシも寄生し大きな(3cm程度になる)コブ(イスノキエダナガタマフシ)を作ることもあります。このコブは、アブラムシが出た跡の穴を口に当てて吹くと「ヒョー」と音がするためイスノキはヒョンノキとも呼ばれます。
(*写真をクリックすると拡大されます)

▲イスノハタマフシ
▲ゴールの中のヤノイスアブラムシ


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