マルカメムシ(№64)

 1月の寒い日、和泉試験地の整理をしていたところ、コンパネの裏側に丸い点々を見つけました。小さなキノコかなと思ったのですが目を近づけてよく見ると越冬中のマルカメムシの集団でした。
 このカメムシは春になると、卵を2列に並べて産みます。5~10月頃、クズ、ダイズ、アズキなど豆科の植物を中心に、その汁液を吸っています。この時点では害虫の一種として片付けられるのですが、秋口になると越冬場所を求めて飛び回り、洗濯物などと一緒に家の中へ取り込まれることもあります。こうなると、当の洗濯ものだけでなく、部屋中がいやなにおいで満たされることになります。このにおいは防御物質、あるいは仲間に対する警戒フェロモンとも言われています。いずれにしろ人間にとっては、クサギカメムシ同様臭さ加減ではピカイチのカメムシに入ります。
 このカメムシの成虫は、よく見ると翅らしいものが見えません。これは胸の一部の小楯板と呼ばれる部分が発達して腹部を覆っているためで、薄い翅がその下に折りたたまれていて、飛ぶときには腹部と小楯板の間から翅を伸ばします。
 集団で越冬する昆虫は、カメムシやテントウムシが知られています。ところで、なぜ集団になるのでしょうか。何かメリットがあるのでしょうか。それとも寂しがりやかな。
(*写真をクリックすると拡大されます)
▲コンクリートパネルの裏のマルカメムシ
▲マルカメムシ


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