ハイイロフクロホコリ(粘菌)(№375)

 葉縁部が少し盛り上がり灰色に縁取られているシロツメクサが見られました。これは粘菌類(変形菌類)の一種でハイイロフクロホコリと呼ばれるものの子実体がシロツメクサの葉縁に形成されたものです。
 粘菌類は動物でも植物でもない生物として分類される変わった生き物です。子実体で胞子が作られるところは植物のようであり、胞子から産まれたアメーバー(変形体)が自由に動き回るところはまったく動物のようです。アメーバーは最初は半数体ですが、やがて他のアメーバーと合体し倍数体となります。このアメーバーは原形質の塊で、多くの核を含む生物です。最後には植物の葉の先端など高い場所で減数分裂後再び半数体の子実体になるという一生を経過します。原生動物または菌類に分類されるのでしょうか。
 他の菌類やバクテリア類を餌としているようですが、人間との利害関係など殆どわかっていませんが、一部では実験生物として利用されているようです。また、この胞子を餌とする昆虫類(ヒメキノコムシ科、デオキノコムシ科、セスジムシ科などの昆虫)が知られていますが詳細は謎に包まれているようです。
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▲ハイイロフクロホコリ子実体の集合体
▲ハイイロフクロホコリ子実体の集合体


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