クチナシ(№59)

 沖縄から本州南部の山地に自生する低木ですが、庭園樹として栽培される事もあります。初夏に香り高い、白い花を開花させます。果実は秋から冬にかけて赤く色づきます。この果実は熟しても割れない(口が無い)ため、クチナシと呼ばれます。将棋盤の脚にもこの果実の形が用いられますが、これは碁士の横のギャラリーに対する警告で「横でごちゃごちゃ言うな=口無し」の意味とも言われます。
 赤く熟したクチナシの果実はサフランの成分と同じクロシンを含み、漬物、和菓子、栗などの着色に使用されます。また、漢方薬として黄疸等に有効といわれています。
 庭木には園芸種であるヤエクチナシ、コクチナシ、フイリクチナシなどが使用されますが、雄しべや雌しべが花弁に変化した八重品種には果実は出来ません。
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◀クチナシの果実