クマゼミ(№46)

 夏の夜、日が暮れると公園などの大きな木の周りの土に小さな穴を開けて、土の中からセミの幼虫が出てきます。卵が生まれてから5,6年もの間、土の中で木の根から汁を吸いながら成長してきた幼虫です。
 さっそく、木に登り脚をしっかり固定してから背中が割れ、中からセミの成虫が出てきます。脱皮して成虫になることを羽化といいますが、羽化直後のセミは翅が伸びておらず、翅を伸ばして完全に固まるまでに数時間を要します。この間、セミの体は柔らかく飛んで逃げることも出来ません。そのために、鳥などの天敵が餌としてねらうのを避けるため、夕方から夜にかけて羽化するのでしょう。
 セミは卵ー幼虫ー成虫と変態します。蛹の時代がありませんので不完全変態といいます。セミの場合は幼虫と成虫の差は翅の有無でしょう。しかし、幼虫も成虫も木の汁を餌としていることには変わりがなく、劇的変化を遂げる蛹の時期が不要なのでしょう。
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◀クマゼミ幼虫


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