イラガ(№23)

 モミジの木に少し長めの卵形をしたものが付いています。これは、イラガの繭です。
 イラガの幼虫は柿、梨、桜、モミジなどに付く毛虫で、多数の毒針毛を持っており、触ると飛び上がるほどの痛さを覚えます。秋になると幼虫は雨の当たりにくい枝の下側などに網の目状の繭を作り、内側から蓚酸カルシウムや尿酸(これらは幼虫の老廃物成分です)を塗りつけ、網を取り込んだ硬い繭が出来上がります。この中で前蛹になり、寒い冬を越します。この前蛹は「タマムシ」といって魚のタナゴつりの餌として珍重されます。
 イラガの繭は大変硬く、5~6kgの力にも耐えるそうです。従って、幼虫は自分が成虫になったときに脱出するための出口として丸い切込みを入れておきます。成虫がこの出口から出た後は、丈夫で丸い、口の開いたつぼのようになって木に残ります。そこで「すずめの小便タゴ(桶)」とも呼ばれます。
(*写真をクリックすると拡大されます)
◀イラガの繭


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