ツユクサ(№10)

 初夏から晩夏にかけ、少し日陰の草むらに、澄んだブルーの花が開きます。今年は梅雨明けが遅く、梅雨の最中にも咲いていましたが「梅雨草」ではなく「露草」です。
 この花は早朝に開花し、昼過ぎには閉じてしまいます。この短時間に花粉媒介昆虫を呼ぶため、花びらのブルーに対しはっきり目立つ黄色の雄しべを4本持っています。このうち3本はΠ型、1本は人型です。しかしこの4本の雄しべの花粉には受精能力はありません。雌しべのすぐ横にあり雌しべと同じ長さの目立たない2本の雄しべが受精能力を持った花粉を持っています。つまり、6本の雄しべのうち4本は昆虫を呼ぶ働きに特化しています。
 さらに、昼前には、雌しべとその横の2本の雄しべはぐるぐる巻きながら自家受粉をします。これは他花受粉できなかった場合の保険をかけているのでしょう。
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◀ツユクサの花


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