ルリカミキリ(№386)

 最近増えている生垣の一つにレッドロビン(またはベニカナメモチ)があります。ここで「または」と付けたのは、まったく同じものではないからで、レッドロビンはカナメモチとオオカナメモチの雑種として作られた園芸品種で、ベニカナメモチはカナメモチの中の新芽が赤い品種です。今回はこの2種の話ではなく、共通の害虫ルリカミキリについてです。
 ルリカミキリは体長10mm程度のカミキリムシで、体は黄褐色、翅(上翅)は美しいるり色をしています。触角が複眼の中央から出るため、複眼が上下に2分されている特徴があります。成虫は5~7月に発生し、成虫も幼虫もバラ科の植物(レッドロビン、サクラ、カイドウ、ヒメリンゴ、ボケ、ナシ、リンゴ、ズミ、カマツカなど)の害虫として知られています。成虫は新梢や主脈(葉脈)をかじります。細い枝に穴をあけ卵を産み、ふ化した幼虫は樹皮の下や幹に潜り込んで食害します。他のカミキリは幹の穴からおがくず状の糞を排出しますが、ルリカミキリは細い糸状の木くずをたくさん出すためその寄生がわかります。幼虫で冬を越すため、落葉樹では秋になって目立ってきます。
 防除は成虫の産卵防止に5~7月の殺虫剤散布、幹の太い木では殺虫剤の塗布、剪定時の被害枝除去、越冬幼虫には潜行穴を見つけ殺虫剤の注入や針金を入れて刺し殺すなどの方法が考えられます。しかし、カミキリムシとしては小さく、多数の幼虫が侵入することが多いため、殺虫剤の散布が最も実用的です。
(*画像をクリックすると拡大されます)
▲梨の枝の被害状況
▲被害部分に潜入している幼虫


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