ナンテン(№394)

 春遅くまで鳥に食べられずに赤い実をつけている低木にナンテンがあります。
 ナンテンは中国原産で高さ2~5mの低木です。今では野生化し、東北から九州までの里山でみられます。石灰岩地帯に多く冬季、赤い実が見られ、半日陰でも育ち、暑さ寒さに強いため庭園樹としても重宝されています。初夏に開花し、晩秋から冬季にかけ赤い(稀に白い)果実をつけます。
 鳥に好まれないのは果実や葉にナンテニンやナンジニンと呼ばれる数種の有毒成分が含まれるためで、他に食べるものが無くなればつまみ食い程度に食べ、大量に食べ尽くすようなことは無いようです。ナンテンの葉には防腐作用があるため赤飯や魚料理に添えられることもありますが決して食べたりしないようにご注意ください。
 昔、雪隠(トイレ)の横にナンテンが植えられたのは毒見役が毒に気づいたとき、ナンテンの葉を食べ嘔吐して毒を吐き出すために植えていたとも言われています。一方、毒成分には鎮咳作用がありのど飴に使われています。
 ナンテンの園芸種で、草丈60cm程度、低温で葉が赤くなり、実のならないナンテンをオタフクナンテンといいナンテンの園芸種です。また葉が糸のように細くなった園芸種は錦糸ナンテンと呼ばれます。
 ナンテンが遅くまで果実をつけていることから、酒宴の席で遅くまで残って酒を酌み交わすグループを「ナンテン組み」といいますね。
(*画像をクリックすると拡大されます)
▲ナンテン
▲ナンテンの実
▲シロミナンテン
▲オタフクナンテン

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