ツマアカクモバチ(№444)

 梅雨の合間の薄曇り、京都御苑の中にある宗像神社で狩人バチを見つけました。かつてはツマアカベッコウバチと呼ばれた仲間ですが現在ではツマアカクモバチと呼ばれる狩人バチの仲間です。体長25mmで比較的大型のクモバチです。クモバチはクモを狩り、そのクモの体に卵を産み幼虫のエサにする仲間です。
 ツマアカクモバチは大型で全体黒色、腹部末端だけが朱色という目立ついでたちをしています。成虫は花蜜をエサとしていますが、メス成虫は幼虫のエサとしてアシダカグモの仲間を襲いクモを麻酔させて巣の予定場所に運びます。クモを運んでいる様子を見ると、自身より重い獲物を口でくわえ垂直の石壁を楽々と運んでいます。他の狩りバチのように巣穴を準備してから狩りに出るのではなく狩りをし獲物を運びながら巣に適した場所を捜すようです。また、巣も地下に穴を掘るのではなく、すり鉢状のくぼみを作り、獲物を置き1卵を産卵後、土をかけて盛り上げるそうです。
 ところでアシダカグモはゴキブリをエサとしており益虫と考えられていますが、その益虫の天敵であるツマアカクモバチは害虫になるのでしょう。
(*画像をクリックすると拡大されます)
▲自身より大きいアシダカグモを引きずるツマアカクモバチ
▲垂直の石壁を引っ張り上げるツマアカクモバチ

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