モズ(№458)

 秋の澄んだ青空を背景に、葉を落とした枝の先で辺りを警戒するかのように止まっている小鳥がいます。スズメより少し大きい程度で、目の周囲を横切る黒い線と翅の小さな白点が目立つモズです。スズメ目モズ科モズ属の小鳥で全長20cm程度のかわいい鳥です。しかし、その嘴はワシやタカのように先がカギ型になっており小型の猛禽のようにも見えます。
 日本、中国東・南部、朝鮮半島、ロシア南東部に分布し、日本では留鳥として扱われています。秋になると、北から南へ、山から里へ移動し、開けた森林、林縁、河畔林、人家近くで縄張りをつくって冬を越します。2~8月が繁殖期になります。食性は、動物食で小型のものであれば昆虫類、甲殻類、両生類、爬虫類、哺乳類、鳥類など何でもエサにします。モズは漢字で「百舌鳥」と書きますが、多くの他の鳥の声を真似るように鳴くところから「百舌」と書かれるそうです。関西では「大阪府の鳥」と「堺市の鳥」に指定されています。
 この鳥は「モズのハヤニエ」として知られるように、エサの一部を木の枝や棘、有刺鉄線などに突き刺し保存?することで知られています。ハヤニエにされたエサは、獲物の少ない冬季に再び食べられますが、すべてが消費されるわけではないようで、夏季にも食べ残され古くなったハヤニエが見られることがあります。縄張りをつくりハヤニエを作りますが、何処に刺したかを忘れるのかもしれません。なぜハヤニエを作るのか、いろいろな説明がされていますが、データーを基に言われているのは、ハヤニエを食べたオス鳥の鳴き声はメスにアッピールしやすく、つがいになりやすいと言われています。そのほかにも2,3の説がありますがこれから少しずつ解明されるものと思います。
(*画像をクリックすると拡大されます)
▲モズ成鳥(オス)
▲モズ成鳥(オス、脚でバッタを押さえています)
▲ハヤニエ(バッタの仲間)
▲ハヤニエ(カマキリの仲間)
▲ハヤニエ(セミの幼虫)
▲ハヤニエ(甲虫?)
▲ハヤニエ(ホオジロ幼鳥?)

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