ヤマガラ(№467)

 エゴの木が実をつける頃、ヤマガラがその実を食べにやってきます。ヤマガラはスズメ目、シジュウカラ科、シジュウカラ属の小鳥です。全長、13~15cm、翼上面は灰色、腹は赤褐色、のどと頭は黒く白色斑紋のある特徴的な色合いの小鳥で、一見頭でっかちで尾は短めのずんぐりタイプに見えます。日本、台湾、中国から朝鮮半島に生息する留鳥です。常緑広葉樹の林にいますが、冬季には平地や市街地でも見ることができます。
 雑食性で、夏季には主として昆虫など動物性のエサを、冬季には果実など植物性のエサを食べています。果実の中でも特にエゴノキの果実を好み、有毒な果皮を避け、殻を割って中の種子だけを食べます。またエサを樹洞や土の中に貯蔵する性質があり、しかも1カ所にまとめるのではなく各所に分散するため、植物の種子分散に役立っているようです。あたかも自分の好みの植物をあちこちに播種して広げているようにも見えます。
 年配の方は、かつて夜店や神社のお祭りなどでこの小鳥にお目にかかった経験があるのではないでしょうか。ヤマガラは、非常に人懐っこく飼いやすいだけではなく、学習能力が優れており芸を仕込むことができました。よく見られた芸は、客からさい銭を受取り、模型の賽銭箱まで運びおみくじをくわえて帰ってくる「おみくじ引き」の芸です。他に、「つるべ揚げ」、「鐘つき」、「かるた取り」、「輪抜け」などを見せてくれました。1980年頃まで見られたように思いますが、鳥獣保護法が施行されてから野鳥の飼育は出来なくなりこのような風景も見られなくなりました。
 このように身近な鳥ではありましたが、最近は減少傾向にあるようで残念です。

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