ツツミノガ(№470)

 4月のある日、鉢植え菊の葉の裏に変なものがぶら下がっている、との情報で見に行くと菊の葉の裏に小さな(長さ6~7mm)のミノムシのようなものがぶら下がっていました。葉を表面から見るとハモグリガが穿孔したような跡があります。これはツツミノガの仲間です。
 キク科植物を食害するツツミノガの仲間は日本では数種類知られています。5~6月に成虫が羽化し産卵、孵化した幼虫は葉に潜葉し葉肉組織を食害しますが2令幼虫になるとミノを作り、葉の裏にぶら下がりながら葉肉の中へ頭を突っ込み食害するようになります。ミノは淡灰褐色円筒状で暗褐色の縦条があり、基部には綿毛をつけます。秋季になると幼虫のまま冬を越し、5~9月に成虫となります。成虫は開長9mm程度で淡灰色の小さなガで北海道から、本州に分布しています。ツツミノガと言いますが、ミノガとは全く別の種でツツミノガ科に分類されます。成虫は、雌、雄どちらも翅を有し、菊や、ヨモギを食害します。
 作物害虫としてはキクツツミノガ、ピストルミノガ(ミノがピストル型をしている、キャベツ、ゴボウの害虫)が知られています。写真の最初の5枚は菊に寄生していたツツミノガで最後の1枚はヨモギに寄生していたツツミノガです
(*画像をクリックすると拡大されます)
▲キクの葉表にみられる食害痕
▲キクの葉裏にぶら下がるツツミノガ
▲キクを食害するツツミノガと食痕
▲キクの葉を移動中の幼虫
▲キク食害ツツミノガ成虫(体長約5mm)
▲ヨモギで見られたツツミノガと食害痕(キク寄生と比べ筒が細長く見える)

homeへ


ページトップへ