ジョロウグモ(№413)

 9月中旬頃から、あちらこちらで大きなクモの巣=ジョロウグモの巣が目立つようになります。ジョロウグモは屋外で見られる大型のクモの代表といえるでしょう。
 ジョロウグモは大きなクモの巣を張りますが、このクモの巣は水平に張られた丈夫な糸にぶら下がった垂直馬蹄形の巣です。クモはこの巣の中央上方に居座り、常に頭を下に向けています。これは巣が下向きに大きく広がっているため、すばやく獲物を捕まえるためには頭を下に向けているほうが便利だからでしょう。また、中心から四方に広がる縦糸は、途中で分枝を繰り返すため、横糸の長さは、巣の中央部も巣から離れたところもあまり変わらないような構造になっています。また、横糸をたどってみると、中心からぐるぐる回りながら螺旋状に糸を張るのではなく、縦糸の部分で折り返しながら張っているようです。傷んだ網は部分的に補修をするようで横半分が新しい網に張りかえられている場合も見られます(写真:下)。
 ジョロウグモの雄(体長6~13mm)は雌(17~30mm)と比べて小さく、腹部の模様も黄~黄褐色の縞模様で地味です。交接は雌が脱皮をした直後か節食中に行われます。これ以外の時には雄が雌に食べられる危険が高いためで、同居しながらその機会を狙っています。
(*画像をクリックすると拡大されます)
▲ジョロウグモの巣(垂直馬蹄形)
▲ジョロウグモ雌(右)と雄(左)
▲ジョロウグモの補修された巣(左半分は今朝作られた新しい網、右半分は古い網で昨晩の露で濡れている)

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