キダチアロエ(№500)

 冬の寒い時期、目立つ橙赤色の花を咲かせる多肉植物としてキダチアロエがあります。ススキノキ科アロエ属の多肉植物ですが、この仲間にはキダチアロエ、アロエサポナリア、アロエベラなどがあります。
 キダチアロエの原産地は南アフリカ、マダガスカル島などで日本へは鎌倉時代に薬用、観賞用として入りましたが、今では南日本太平洋側で逸出自生しています。
 キダチアロエは名前が示すように茎をもち草丈は2m程度まで伸びることがあります。花は、長さ4cm程度で筒型をした花が穂状に多数咲きます。一つの花にはメシベ1本、オシベ6本、花被片(がく+かべん)6枚がありますが、花被片の内側3枚の基部には大量の蜜を蓄えています。蜜の多さから推定して鳥媒花と思われますが、原産地では長く反り返ったクチバシを持つタイヨウチョウという鳥が花粉の媒介をするそうです。日本ではこの花の花粉を媒介をする鳥や昆虫はいませんのでめったに果実はなりません。
 キダチアロエは別名医者いらずと呼ばれるように葉は民間薬として利用されます。葉肉はゼリー状で、食用可能ですが、少量しか取れず、食用にはゼリー部の多いアロエベラが使われます。
(*画像をクリックすると拡大されます)
▲キダチアロエ
▲キダチアロエの花
◀キダチアロエ花被片下部の蜜(花被片の外側3枚は除去)

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