マユミ(№536)

 初冬の山道で谷を隔てた対岸に赤い実をつけた中木を見付けました。たくさんの果実は4分裂し、種子が覗いています。
 これはマユミの果実です。マユミはニシキギ科ニシキギ属の中木で、北海道から九州の半日蔭でやや湿った土地に自生し、樹高5~6mになります。5~6月頃、黄緑色の4花弁を持った直径4~8mmの小さな花を多数咲かせます。9~11月には直径1cm程度で橙赤色の仮種皮を持った果実を付けます。この果実はやがて4分裂し4個の種子を出します。葉は長さ6~15cm、幅2~8㎝で、葉柄は0.5~2cmです。若い枝は緑色で稜(角ばっている)があります。
 ニシキギ属にはニシキギ(コマユミ)(マユミに比べ全体が小振りで、果実は2分裂する、翼があるのがニシキギ)、ツリバナ(果実は5分裂する)などがありますが、晩秋の紅葉や赤い実を鑑賞するため庭木としてニシキギ(コマユミ)が使われることが多いのですが、発芽力がやや弱いため強剪定は避けたい庭木です。。
 種子に含まれる脂肪油には有毒成分が含まれ、食べると下痢や腹痛を引き起こすようですが小鳥たちは喜んでこれをついばみます。煎汁で頭を洗いシラミ駆除にも使ったためシラミコロシと呼ばれたそうです。一方、新芽はてんぷらなどにして食べられるそうです。
(*画像をクリックすると拡大されます)
▲マユミ
▲マユミの果実

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