フランスギク(№538)

 毎年梅雨期から初夏にかけ、団地斜面で白い菊の花が見られる場所があります。草丈30~60㎝、まっすぐ伸びた茎の先に直径5~6㎝の菊の花が咲きます。葉はへら型で鋸歯があり対生につき、茎には毛が見られます。
 この花はヨーロッパ原産で、江戸時代末期に園芸用として導入されたキク科フランスギク属のフランスギクです。耐寒性を持つ多年草で、種子や地下茎で繁殖を続けます。夏の暑さにあえば地上部は枯れ休眠に入ります。しかし、山間冷涼地では秋まで咲き続け、広い面積に咲き誇り外来種として嫌われ者扱いされる場合も見られます。
 フランスギクによく似た白い菊が他にもみられますが、おおざっぱには次のような点で区別できます。ノースポール(キク科フランスギク属)は全体に小型で草丈15~30cm、花の直径は3㎝程度、開花時期は12~6月、葉は春菊のように切れ込みます。マーガレット(キク科モクシュンギク属)は大型で草丈30~100㎝、花の直径は5~6㎝で白以外にも黄色、ピンク色など多彩で開花時期は10~6月。葉は切れ込みが深く細いのが特徴です。他に園芸用に交配されたシャスターデージーと呼ばれる大型種(草丈40~100㎝、花の直径6~10㎝)も見られます。
▲フランスギク
▲フランスギクの花(ヒメマルカツオブシムシ成虫が多数集まっている)
▲フランスギクの葉
▲山地で一面に咲くフランスギク
▲ノースポールの花(花弁は丸みを帯び小型)

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