キショウブ(№549)

 梅雨が近づくと、アヤメの仲間が咲き始めます。ところで園芸種であるハナショウブは紫~青~白の花が多く、黄色の花はありません。明治期に黄色のハナショウブとして西アジアやヨーロッパ原産のキショウブが園芸用に導入され栽培されました。しかし、非常に丈夫で、種子繁殖と同時に地下茎でも繁殖するため、全国の湿地や放棄田で繁茂し、目立つ存在になってきました。現在では、放棄田が増加するだけでなく、美しい花のために苗が盛んに販売され公園やビオトープなどでも栽培されるようになり益々繁茂を続ける状況となり、環境省の「要注意外来生物」に指定されるようになりました。
 草丈50~120cm、中肋が隆起した剣型の葉をしており、5月~6月に黄色い大型の花を咲かせます。花は先端が直立した小型の内花被片3枚と、大型で先端が下垂した外花被片3枚からなり外花被片の基部には褐色の蜜標(花粉媒介昆虫に蜜のありかを示す模様)が入ります。
 キショウブも園芸用に改良され、斑入り葉、八重咲などの園芸品種が作出されています。
(*画像をクリックすると拡大されます)
▲一面に咲くキショウブ
▲キショウブの花

homeへ


ページトップへ