ウツギ(№553)

 旧暦4月(卯月=新暦4・下~6・中)になると、日本全国の日当たりのよいやや湿った場所に、白く房状に枝垂れて咲く低木が目立つようになりますが、これがウツギです。茎の中央が空洞になっていることからウツギ(空木)と呼ばれ、この花が咲く旧暦4月を卯月と呼ぶようになったようです。
 葉は対生しますがその形には変化が多く、表裏両面に星状毛があります。樹高2.5m程度で株立ち(地際から多くの茎が立つ)の落葉樹です。非常に強健で、剪定にも強いため、生垣や庭木(独立樹としてはシロバナヤエウツギ、サラサウツギ、バリエガタなどの園芸種が使われます)としてよく利用されます。枝先に直径10~15mmの白い花を円錐花序としてまとめて付け垂下します。唱歌に「卯の花のにおう垣根に…」と歌われている卯の花はウツギの花ですが、歌のようには匂いません。また万葉集にも多く歌われ親しみ深い植物と言えるでしょう。
 夏には直径5mm程度で先端がくぼみ雌しべの花柱が残ったコマのような形をした果実をつけます。幹は堅く、木釘や爪楊枝に利用され、中空で軽いことから杖にも使われた
ようです。
 茎が中空の植物はウツギと呼ばれることが多く、アジサイ科、スイカズラ科、ドクウツギ科、フジウツギ科、ミツバウツギ科、バラ科などに〇〇ウツギという名前の植物が見られます。
 (*画像をクリックすると拡大されます)
▲ウツギの花
▲ウツギの花
▲ウツギの茎(切断面)
▲ウツギの果実

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