ツタ(№335)

 壁面緑化資材としてよく利用されている植物にツタがあります。紅葉が美しいためモミジツタとかツタモミジ、ナツヅタなどとも呼ばれます。
 ツタの茎は先端が花軸や吸盤になると茎の成長が止まります。しかし、腋芽(先端の節から出る芽)が新しい茎となって伸びるため、茎は少しジグザグに伸びるような形になります。このような伸び方を「仮軸(状)分枝」と呼びます。
 ツタは葉の出方にも特徴があり、葉間(1枚の葉と次の葉の間隔)の長さが短ー長ー中ー短・・・・・を繰り返します。先端には壁などに付着するため吸盤の付いた付着根が出来、吸盤から粘性物質を出すのみではなく、酸性物質も出し、壁を溶かし養分も吸収するようです。また、茎は節のところで折れやすく茎を壁面に残しやすくしています。落葉の際も、葉身を先に落とし、数日後に葉柄を落とします。このような落葉の性質はヤブカラシ、ノブドウでも見られます。若い葉は3出複葉(クローバーのような出方)、その後3裂単葉(切れ込みが2箇所で、3枚の葉に見える)が出るなど葉の形も複雑な様相が見られます。
 春先、ツタの軸を切り、樹液を集めて煮詰めると甘味料となります。そのためアマヅル、アマカヅラと呼ばれることもあります。ブドウの仲間ですので、ブドウのような果実をつけますが渋くて食べられません。
(*画像をクリックすると拡大されます)
▲壁面を覆ったツタ
▲ツタの吸盤
▲葉を除いたツタの枝(仮軸分枝、ジグザグに伸長)
▲ツタの若い葉(3出複葉)
▲ツタの果実

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