シマサシガメ(№100)

 冬のある日、クスの木にかけてある名板(木の名前を書いた札)をそっとのけてみると、下に越冬中のカメムシの大群が見つかりました。これはシマサシガメの越冬中の幼虫です。暖かくなると、草原等で、ハムシなどの甲虫類やチョウ目の幼虫の体液を吸って生きています。成虫の腹部各節側面は白と黒で、背面から見ると横縞状に見えます。また、脚部は黒く、各腿節に3個、徑説に1個の白斑がありこれも縞に見えます。北海道以外の日本全国に生息する普通種です。
 この仲間には昭和初期にインド、中国方面から日本に侵入して来たヨコヅナサシガメがいます。分布域を北上させています。サクラ、エノキ、ケヤキなどの広葉樹に多く生息し、背中で重ねた翅の両側にはみ出した腹部の端が、白黒のゼブラ模様で横綱の化粧回しに似ているところから、ヨコヅナサシガメと呼ばれます。
 サシガメの仲間は頭の下へ折りたたんだ大きな口吻を他の昆虫などに差し込み体液を吸収しますが乱暴に扱うとこの口吻で人間も刺されることがあり大変痛いそうです。
(*画像をクリックすると拡大されます)
▲シマサシガメの越冬幼虫
▲シマサシガメ越冬幼虫
▲シマサシガメ夏季にみられた幼虫
▲ヨコヅナサシガメ成虫

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