オオバナミズキンバイ(№556)

 外来生物の言葉を耳にすることが多くなりましたが、外来生物の正しい意味は「自然分布域外に人間活動によって持ち込まれた生き物」を指します。原産地が国の内か外か、持ち込まれたのが意図的か非意図的か、さらに侵入地で害が有るか無いかなどは関係がないとされています。今回紹介するのは外来生物の中でも特定外来生物(外来生物の中で悪影響が大きいと考えられ、運搬・飼育・輸入・放逐・譲渡などが禁止されているもの)に指定されている水草のオオバナミズキンバイです。
 関西では2005年に和歌山県で発見されたのが最初で、大阪では2014年に大和川で見つかっています。アカバナ科チョウジタデ属に分類される水草です。中南米原産で、花が美しく観賞用に持ち込まれたものが逸出した(自然界に逃げ出した)ものと考えられています。草丈0.3~1.2m、葉は細長く、6~10月に直径3~5cmで黄色の花をつけます。乾燥や暑さに強く、種子以外に茎や葉からも再生するようで、水の流れを介して繁茂するため、一旦繁茂すると根絶はむつかしいと考えられています。下の写真のように、アシとホテイアオイが繫殖する中間域の水際(陸と水の接点)を埋め尽くすように広がることが多いようですが、陸地であっても浅瀬であっても繁茂するようです。大繁殖することで在来種を駆逐したり、船舶の航行の支障になったり水の流れを変えたりの被害が懸念され駆除活動も実施されています。
 遺伝子解析により亜種の存在が知られていますが、外見上区別は困難でいずれの亜種も特定外来生物であることには変わりはないと思われます。
(*画像をクリックすると拡大されます)
▲陸(上)側からアシ―オオバナミズキンバイ―ホテイアオイ
▲オオバナミズキンバイの花
▲オオバナミズキンバイの走出枝から出た新芽

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