フトヘナタリ(№566)

 陽射しが暖かさを感じさせる冬の日、海へ続く用水路のコンクリート壁にたくさんの巻貝を見つけました。これは汽水性(海水と淡水がまじりあった状態の水)の巻貝フトヘナタリです。
 キバウミニナ科の巻貝で、ウミニナ類と呼ばれる仲間の1種です。松島湾以南のヨシ原や干潟に生息し、生息地域ではかなり多数が見られますが、
ヨシ原や干潟の減少とともに生息域も少なくなり、各地で絶滅危惧や準絶滅危惧種に指定されています。
 成貝は殻高40mm、殻径20mm 程度の細長い円錐形の巻貝で殻頂は欠けることが多く、殻の表面には縦横の隆起線があって粗く、白~灰~黒褐色と色の変異はまちまちです。殻口は小さく外へ反っており、体は黒褐色をしています。
 長期間水中にいるのを嫌い、潮間帯の満潮線付近に群れることが多く、泥などと一緒にエサを取るようです。
 九州の一部では塩ゆでにして食べるようですが、異形吸虫の第1中間寄主としても知られています。
(*画像をクリックすると拡大されます)
▲フトヘナタリ成貝
▲フトヘナタリ成貝
▲フトヘナタリ成貝

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