ヤブカンゾウ(№585)

 初夏の草原を歩くと、70~100cm程度の花茎を伸ばし、赤みがかったオレンジ色で直径8㎝程度の派手なユリのような花を見ることがあります。これはススキノキ科(元ユリ科)ワスレグサ属のヤブカンゾウです。
 中国原産の多年草で、3倍体のため種子は作りません。花は雄しべ、雌しべの一部も花弁となった八重咲です。個々の花はほぼ1日花(中には2,3日咲き続けるものもあるそうです)ですが1本の花茎に次々と咲くため花期は数日間続きます。ランナーを伸ばして増えるため群落を作ります。葉は40~60㎝で細長く叢生します。日本全国に分布しています。山菜としても利用され、新芽、蕾、花は茹でてサラダや和え物に、蕾、花はてんぷらなどに使われます。ヤブカンゾウを食べると愁いを忘れることができるそうでワスレグサの別名で呼ばれることもあります。また、乾燥根や蕾は生薬としても利用されます。
 類似種に花が一重のノカンゾウやキツネノカミソリがありますが、キツネノカミソリは有毒植物ですので気をつけましょう。
 名前の似た植物にカンゾウ(マメ科カンゾウ属)やワスレナグサ(ムラサキ科ワスレナグサ属)がありますが全く別物です。
(*画像をクリックすると拡大されます)
▲ヤブカンゾウの葉
▲ヤブカンゾウ
▲ヤブカンゾウ
▲ヤブカンゾウ

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