アシマダラブユ(№587)

 学校も夏休みに入ると、都会を外れ、キャンプ、ハイキング、川釣りなど渓流近くに出かける機会が多くなりました。しかし、場所によってはブユの大群に襲われ非常に不快な思いをすることがあります。ブユはハエ(双翅)目ブユ科の昆虫でブトとも呼ばれ、ハエ、カの仲間です。成虫の背面は丸くなり、全体に黒~灰黒色をしています。後翅は退化し平均棍と呼ばれる棒状になっています。
 成虫は体長2~4mm、成虫寿命は約1か月で清流に産卵し、幼虫は水中で3~4週間生活し、水中で蛹化します。年に数回発生するようですが春~夏の朝夕が特に多い
ようです。
 日本にはブユの仲間は60種ほどがいるそうですが、吸血により問題になるのはアシマダラブユ、キアシオオブユ、ニッポンヤマブユなど数種類です。吸血するブユは
メスで、産卵に必要な栄養を吸血によって補うため動物から吸血します。ブユはカのように針を刺して吸血するのではなく、動物の皮膚を傷つけ、染み出した血液を舐めとります。ブユに吸血されると数時間後~翌日以降にかけて腫れとかゆみが続き、人によってはカより重症化するようです。吸血するブユは清流の近くで朝夕、黒や赤の色に引き寄せられると言われています。また、ブユの羽音は聞こえないため厄介な衛生害虫と言えるでしょう。清流に生息するため、都会ではほとんど見られません。
(*画像をクリックすると拡大されます)
▲アシマダラブユ(捕虫網で採集)
▲吸血のため皮膚を舐める成虫
▲吸血のため皮膚を舐める成虫
▲吸血後の症状

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