タイサンボク(№586)

 大きな艶のある葉(長さ13~20cm、幅6~10cm、裏面には褐色の短毛を密生させます)を付け、高さ10~20mにもなる高木が、5~7月、直径20cm以上の大きな白い花を上向きに付けているのを見ることがあります。
 この木はモクレン科モクレン属のタイサンボクと言い、北米南東部原産の外来種です。ハクレンボク、ダイサンボクなどと呼ばれることもあります。マグノリアと呼ばれることもありますが、これはモクレン属の総称でモクレン、コブシ、オガタマノキ、ホオノキ、オオヤマレンゲなどをまとめて指すときに使います。高木で、しかも上向きに開花するため、地上部からは花が目立たないようですが、強い香りを発散させるため香りで気付くこともあります。花は花被片(がく片+花弁)9枚、雌性先熟(雌しべが先に熟し、1~2日後におしべが開き花粉を出す)で、強い香りは甲虫類を呼び集めるのに有効なようで、比較的原始的な花のようです。秋には直径12~14mmの赤い種子が多数、白い糸にぶら下がります。
 タイサンボクは他の植物が生えにくくなる物質を出すと言われ(アレロパシー)樹下には他の植物が生えにくいと言われています。剪定の影響は比較的少ないのですが、移植がむつかしい事や大木になるため庭園樹としては広い庭での利用に限られます。
(*画像をクリックすると拡大されます)
▲開花期のタイサンボク
▲タイサンボクの蕾
▲タイサンボクの花
▲タイサンボクの花(蕊柱の上半分は雌しべ、下は雄しべ)

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