カリガネソウ(№594)

 夏も終わりに近づくと、秋の花が目立つようになります。秋の花には紫系統の花が多いのですが、その中の一つにシソ科カリガネソウ属のカリガネソウがあります。
 「カリガネ」は渡り鳥の雁(ガン)の意味でその特異な花の形から命名されたようです。花は唇形花で上の花弁は2枚に、下は3枚に分かれ下の中央の花弁は大きく、蜜標をつけています。また、雌しべ、雄しべは上方に突き出し、下へ向かって曲がっています。これを雁の首に例えたのでしょう。ハナバチ類が蜜標をめがけてやってきて、下の大きな花弁に止まると背中に雄しべや雌しべが当たるような構造になっています。
 沖縄を除いた日本全国の山地に自生し、日当たりが良くてあまり乾燥しないような場所で見られます。草丈80~100cm程度で、茎の断面は四角です。葉は対生していますが、触れると強い臭気を持っています。野生動物から身を守るためでしょうか。
(*画像をクリックすると拡大されます)
▲カリガネソウ
▲カリガネソウの花(蜜標とその上にかぶさる雌しべと雄しべ)
▲カリガネソウの花

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