クヌギシギゾウムシ(№602)

 夏の終わりに大きなドングリを見つけ持ち帰ったところ、秋~冬になって中から白い蛆虫が出てきた経験はありませんか。イガイガ帽子で比較的丸いクヌギのどんぐりから出てくるのはゾウムシ科シギゾウムシ属クヌギゾウムシの幼虫が多いです。
 8~9月、まだクヌギのドングリが緑色のころ、長い鼻(口吻)でドングリに穴をあけ、卵を産み付けます。卵からかえった幼虫はドングリの中身を食べて成長しますが、産卵された穴はドングリの成長に従ってふさがってしまい見えなくなります。秋になると、幼虫はドングリから脱出し、土の中で冬を越して蛹になり成虫が出てきます。成虫は黒褐色で体表には淡黄色の微毛を多数つけています。体長6~10mm程度ですが口吻が長く、口吻の中ほどにある触角も、ドングリに穴をあけるときの邪魔にならないよう、折れ曲がって口吻の溝の中に納まるようになっています。
 よく似た種類にシイシギゾウムシがいますが、食草とするドングリの種類、前翅後方の黒色横帯、触角(中間第2節)の長さなどで区別します。
(*画像をクリックすると拡大されます)
▲クヌギシギゾウムシ成虫
▲クヌギシギゾウムシ成虫

homeへ


ページトップへ