ノブドウ(№603)

 秋も深くなると他の植物を覆うようにツルを伸ばし、直径1cm程度の白、赤、青とカラフルな果実をつけたツル植物が目立つようになります。果実は食用ブドウのように房にならず、大きさも直径1~1.5cmとまちまち、なんといってもその色の変化の多いことに目を奪われます。ノブドウとと呼ばれますが、野生のブドウ?食べられる?と考えてしまいますが、ノブドウはブドウ科ノブドウ属で食用のブドウ属とはかなり遠い親戚となり食用には適しません。
 この果実はほとんどすべてがノブドウミタマバエに寄生されているゴール(チュウエイ)である、と記した解説もありますが、割ってみるとそうでもない。寄生されると果実は大きくなる、青や赤に着色しているのは寄生昆虫に寄生されているなどの報告もありますが、必ずしもそうでもないとの観察もなされています。ブドウトリバ(チョウ目トガリバ科)が寄生するようですがこれもゴール(ちゅうえい)を作ることはなさそうです。果実は有毒だとの説明もありますがデーターを探してみましたがこれも見当たりません。外見上いろいろと面白そうな現象があるにもかかわらず、人間生活と直接利害関係がない植物として見向きもされない対象なのでしょうか。
(*画像をクリックすると拡大されます)
▲ノブドウ(3裂した葉)

▲ノブドウ(大きさの異る果実)

▲ノブドウ(青と赤の果実)

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