カナブン(№265)

 このシリーズの№192カナブンでは、カナブンの飛び方について記しました。今回は口の話です。昆虫の口は咬む、吸う、舐めるの3つの方向に発達しました。咬む口を持っているのはカミキリムシ、カマキリ、バッタなどで左右の鎌のような口で噛み切ります。チョウ、セミ、カなどは2本の樋を合わせたような口を使い毛細管現象であがってくる液を吸い取ります。
 カナブン、ハエ、アブなどは蜜や樹液を舐める形の口をしています。つまり、筆の先のようなブラシが左右2本あり、常時は格納されていますが食事時になると蜜や樹液にその筆先を浸し、毛細管現象で毛の間を上がってくる蜜や樹液を吸い取ります。食事の様子を見ているとまるで舌で皿を舐めているような、あるいはワイパーで窓を掃除しているような光景が見られます。
(*画像をクリックすると拡大します)

▲樹液に集まるカナブン
▲カナブンのなめる口


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