ブタクサハムシ(№268)

 堺市内の花壇でヒマワリの葉が虫に食べられ惨めな状態になっていました。ヒマワリによくつくグンバイムシ(№8)は葉の汁を吸うため、葉をかじる様な被害は出ません。葉の裏を見ると4~5mmのウジムシのような幼虫が多数見られました。
 この幼虫は、1996年に関東で生存が確認されたブタクサハムシの幼虫です。関西では1997年に枚方市の淀川で見つかりました。北米原産の外来昆虫ですが、同じく北米から帰化したブタクサを追いかけるように日本へやってきました。幼虫はもとより成虫もブタクサを食害するため、日本中にはびこっていたブタクサを瞬く間に食いつくし、ブタクサを見つけるのがむつかしい程度にまで減少させてしまいました。これでブタクサ防除に悩まされることがなくなると思われたとき、栽培種のキクイモ、ヒマワリの被害が目立ち始めました。この害虫に対する登録農薬がないため薬剤防除も難しく、今後ヒマワリでの被害が心配されます。
 春から夏にかけて葉の裏に数十個の卵をかためて産みます。最初、幼虫は葉の裏で、表皮を残して葉肉だけを食べますが、成長すると穴を開けるような食べ方をします。やがて
葉の裏に粗末な繭を作って蛹になります。冬は成虫で越すようです。
(*画像をクリックすると拡大します)
▲ブタクサハムシの卵塊(殆どの卵が孵化後です)
▲幼虫
▲荒い繭
▲成虫


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