ヒイラギナンテン(№289)

 冬季から春にかけて花の少ない時期に、庭の片隅などで黄色い花を咲かせているヒイラギナンテンがあります。
 ヒイラギに似て葉縁にとげのある低木で、庭石に添えたり、低木生垣に利用したりされます。病害虫に比較的強いため庭木としてよく利用されます。台湾、中国、ヒマラヤ原産で、1680年代に日本へ伝えられました。ナンテンと同じメギ科でヒイラギナンテン属の常緑低木です。
 花序は茎の先端から総状花序を数本だし、冬から早春に開花します。寒い時期に開花する花の通性として花びらは黄色で、昆虫たちにその存在をアッピールしているようです。それだけではなく、受粉を確実にするための工夫として、昆虫(比較的低温時にも活動できるハエやアブ)が吸蜜のため花の中へ進入すると、その刺激を感じ、周囲に広がっているおしべが中心の雌しべに向かって動くことが知られています。この動きによって、花粉を少しでも効率よく昆虫の体にこすりつけようとしているのでしょう。
(*画像をクリックすると拡大されます)
▲開花中のヒイラギナンテン
▲おしべが花弁側に寄っている通常時の状態
▲刺激を受けおしべが中央に寄った状態


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