アカマツ(№282)

 本記事の№167 クロマツでマツの葉と枝について、№246でマツカサについて述べましたが、今回は日本の代表的なマツの1つであるアカマツを取り上げてみます。
 アカマツは内陸性のマツで、海岸に多いクロマツとは住み分けが見られます。アカマツの葉はやや細く、葉先を握っても痛くありません。そのようなことからアカマツを雌マツ、クロマツを雄マツと呼ぶこともあります。
 マツは陽樹(陽のあたるところを好む植物)で、人はかつて火力の強いマツを登り窯(陶器を焼く釜)の燃料とし、枝葉は焚きつけに、根に共生するマツタケは食料として利用しアカマツを育ててきました。人手が入らなくなると広葉樹に負けてしまいマツ林を維持できなくなることから、最近は松林の減少が多く見られます。
 アカマツの葉は細長い葉が2枚ありますが、これは短枝から出ています。植物の葉には、炭酸ガス、酸素や水分の出入り口としての気孔がありますが針葉樹ではこの気孔が集まって種特有の並び方をしているのを観察することが出来ます。気孔の周囲にはワックスがあり気孔が集まると白く見えます。マツでは写真のように1直線状に並んで見えます。アスナロではW字状、サワラではX字状、ヒノキではY字状となります。
 ところでマツの2葉が出ている短枝を取り巻くように薄い膜状のものが見えることがあります。これは、発生学的には細長い針葉と同じ起源の葉(相同の葉といいます)だそうです。
(*画像をクリックすると拡大されます)
▲アカマツ林
▲アカマツの葉
▲アカマツの葉(気孔線)


ページトップへ