トベラキジラミ(№293)

 海岸沿いの民家の庭や公園の生垣にはトベラが植えられていることが多くあります。しかし、5月中頃になるとトベラの新葉の中心部に白いひも状のものが見られ、新葉が縦方向に巻き、萎縮したような症状が見られることがあります。後に葉が黒く汚れ、煤が付いたようになることもあります。
 これはトベラキジラミが発生し、成虫、幼虫による吸汁害とその排泄物にすす病が発生した結果です。幼虫は、白いひも状のものを出し発生が多いと新葉が縦に巻きます。これも一種の虫こぶでトベラハマキフシと呼ばれます。
 成虫は体長(翅の端まで)3・5mm程度の小さなセミのような形をしたカメムシの仲間で、成虫で越冬します。前翅後縁に黒紋があるものをマダラトベラキジラミ(仮称)として分ける報告もあります。
 よほどのことが無い限り、トベラキジラミの被害でトベラが枯れるような事はありませんが、生垣などに植えられていると見苦しい状況になります。薬剤散布で成幼虫を殺すことは難しくありませんが、葉の回復は望めませんので早期防除が必要です。
(*画像をクリックすると拡大されます)

▲トベラキジラミによるトベラの被害
▲トベラキジラミ(マダラトベラキジラミ)成虫


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