トモンハナバチ(№304)

 夏になると大阪市立長居植物園のハーブ園を飛び回るおしゃれな蜂が見られます。黒い腹部に黄色の縞模様を付けており、よく目立ちます。トモンハナバチといい比較的発生地が局限され、栃木県では絶滅危惧Ⅱ類、京都府では要注目種になっています。
 ハキリバチ科のハナバチで年1回発生します。ミソハギ、ニンジンボク、ネジバナ、ハーブ(キダチハッカなど)などを吸蜜します。成虫の体長は雌14mm、オス18mmでオスのほうが大きいハキリバチの仲間です。メス成虫は腹部に10個の黄色紋があり、これがトモンハナバチの名前のいわれですが、オス成虫には12紋ありオスはジュウニモンハナバチというべきでしょうか。 この蜂は竹筒、ヨシ、甲虫などが開けた穴を巣に利用し、花粉団子を中にいれそこに卵を産みます。産卵後、ハキリバチの仲間は部屋の仕切りに切り取った植物の葉を利用することが多いのですが、トモンハナバチは植物(ヨモギやアザミなど)の綿毛をかき集めて利用するそうです。綿毛に囲まれて育つ幼虫はさぞかし優雅な生活を送ることでしょう。
(*画像をクリックすると拡大されます)
▲トモンハナバチ雌成虫
▲交尾中のトモンハナバチ(左:雄、右:雌)


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