カシ類ウドンコ病(№.314)

 アラカシは街路樹や株立ち又は1本立ちの庭園樹としてよく利用される樹木です。
 しかし、初夏から新葉表面が白く粉を吹いたような病気が出ることがあります。また葉の表面が黄化した病状を呈し、葉裏に暗褐色でビロード状の菌糸や胞子の集合したものが見られることもあります。これらはカビの1種である糸状菌による病害で、カシ類表うどんこ病とカシ類ムラサキカビ病でどちらもうどんこ病と呼ばれます。木が枯死するような重大な病害ではないこともあって、街路樹などでは問題にされることは少ないのですが、一般家庭の庭木の場合、美観を損なうため嫌がられる病気の一つです。アラカシは種子でも簡単に増えるため個体差が多く、病気に対する抵抗性にも差が見られるようです。写真には、隣接する2株が重症株と、軽症株の例を載せました。
 この病気を防ぐには、発病していない苗を選ぶだけではなく、木の手入れを良くし、通風、日照を図ると共に罹病葉を除去し殺菌剤を年に数回散布するなどの管理が必要で、発病すると完全になくすのは難しい病気です。これらの菌はアラカシ以外にシラカシ、アカガシ、ウラジロガシ、ウバメガシなどにも寄生し、その胞子は風で広がるためさらに根治を難しくしています。
(*写真をクリックすると拡大されます)
あらかし1
あらかし2
▲アラカシの並木道
▲葉表の白粉(表うどんこ病)
あらかし3
あらかし4
▲葉表の黄班(ムラサキカビ病)
▲葉裏の紫黒色のカビ(ムラサキカビ病)
あらかし5
あらかし6
▲重症株(手前)と軽症株(奥)
▲ウバメガシに出たウドンコ病


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