ニオイタチツボスミレ(№221)

 春早く、里山にスミレが咲き競います。ニオイタチツボスミレです。
 下の花弁(唇弁)にガイドマークが見られ、その中央に蜜のある部分に続く溝があります。この溝にハナバチなどが頭を突っ込むと、花粉がこぼれ落ちハチの頭に花粉が降り注ぐ仕掛けとなっています。早春に咲いた花は、昆虫によって受粉されるものが多いですが、その後、地際に出来る蕾は開花せず、閉鎖花として自家受粉し結実するものが多くなります。
 スミレ類の種子は、種子の胎座にエライオソームと呼ばれる脂質を貯えており、エライオソームはアリの大好物です。アリは、種子を巣に運び、エライオソームを食べた後の種子は巣の外へ放り出します。外へ出されたスミレの種子は、その場で発芽し成長します。つまり、スミレの種子はアリによって運ばれることになります。
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