ロゼット(№322)

 冬の河川敷を歩くと、枯れた草だけではなく地面にぴったり葉をくっつけた植物たちが、冬の寒風を避けながら春を待っているのがみられます。これらはロゼットと呼ばれています。
 ロゼットとは、冬季、多年草植物や越年生植物の茎が殆ど成長せず、葉が放射状に地中から出ているように見える状態のことで、あたかも根から葉が出ているように見えるためこれらの葉は根出葉(根生葉または根葉)といいます。冬季に限らず常時このような出方をしている植物もあり(モウセンゴケ、ヒシ、オオタニワタリ、オオバコなど)これらはロゼットと呼ばれることは少ないようです。冬期間のみロゼットになる植物としてはオオアレチノギク、ヨメナ、ハルノノゲシ、オオマツヨイグサ、タンポポ、オニタビラコ、ノゲシ、ハルジオン、ヒメジョオン等が挙げられます。
 ロゼット状態の場合、大きな植物の下などでは受光率が低くなりデメリットと考えられます。一方、常時ロゼット状の植物は水に浮くため(ヒシ)、動物等による機械的被害の回避(オオバコ)などそれなりの理由があるようですが、冬期間だけロゼット状になる植物にとっては次のようなメリットがあるようです。①茎を伸ばすためのエネルギーの節約。②地温の恩恵により植物体の温度を上げ、凍結の回避につながる。③他の動物などの食害から回避できるなど、それぞれ冬の寒さ対策としてロゼットになる道を選んだのでしょう。
 下の写真の植物名は一部不確実な面があるかもしれません。お気づきの点あればご連絡ください。
(*写真をクリックすると拡大されます)
rose-ギシギシ
rose-シロイヌナズナ
▲ロゼット状のギシギシ
▲ロゼット状のシロイロナズナ
rose-セイヨウタンポポ
rose-タンポポ?
▲ロゼット状のセイヨウタンポポ?
▲ロゼット状のタンポポ類?
rose-ヒメオドリコソウ
rose-ヨモギ
▲ロゼット状のヒメオドリコソウ
▲ロゼット状のヨモギ
roze-アメリカフウロ
▲ロゼット状のアメリカフウロ


ページトップへ