ヒバリ(№323)

 春の河原や畑でよく耳にするのはヒバリのさえずりでしょう。よく晴れた日、はるか上空で聞こえるこの声は春を代表する一つと言えるでしょう。
 ヒバリはスズメ目ヒバリ科の小鳥で、日本の在来種は留鳥で、1年中河原や畑地に住んでいます。しかしその大きさ(体長17cm、羽を広げた開長32cm)がスズメほどで小さく、繁殖期以外は上空高く飛ぶ派手なさえずりもなく、体も地味な茶色であるため足元にいても気付かないことが多い野鳥です。頭に冠羽があり、これを立てた様子はなかなか可愛いものです。年に一度だけ春には、雄が縄張り宣言のため、はるか上空まで上がり、ホバリングしながらピーチクパーチクとさえずります。このさえずりは「揚げヒバリ」ともいわれ、田園地帯における日本の風物詩にもなってきました。聞きなし(鳥の鳴き声を日本語で例えた言い方)として、ヒバリのさえずりは「日一分、日一分、利取る、利取る、月二朱、月二朱」と聞こえるそうです。金貸しヒバリが太陽に貸した金を取り立てる為、高く昇って太陽に向かって叫んでいるのだそうです。
 河原や畑の土の上に小さなくぼみを作り営巣します。一度に三~四卵を生み、10日ほどで孵化、その後二週間程度で巣立ちします。主として植物の種子を食べているようです。最近、畑や、麦畑、草原などが減少し、ヒバリもすみかを探すのが一苦労のようです。
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ひばり1
ひばり3
▲冠毛を立てたヒバリ
▲冠毛を立てたヒバリ
ひばり2
▲揚げヒバリ