ゼニゴケ(№325)

 コケ類は蘚類、苔類、ツノゴケ類にわけられますが、ゼニゴケはコケ類のなかで苔類と呼ばれる一群です。苔類は一般にゼニゴケ、ジャゴケと呼ばれる葉状体(茎葉の区別が無いもの)と茎葉体(茎葉らしい区別が出来るもの)とに分けられ、日本には約800種といわれています。
 ゼニゴケは葉状体(配偶体)から雌器托(造卵器)、雄器托(造精器)と呼ばれる器官を作りそれぞれ卵子と精子を作ります。精子は水を得て泳ぎ出し、卵子を探して受精します。受精卵は胞子体を形成し先端に胞子嚢をつけ、減数分裂によって胞子を作りこの胞子が発芽してやがて葉状体(配偶体)となります。従って、胞子体のみが2倍体で、われわれが普段目にするゼニゴケは半数体の葉状体になります。 葉状体の表面(背面と言う)には杯状体と呼ばれる無性繁殖をする器官も存在します。この杯状体の中には無性芽(栄養繁殖体)ができ、無性的にも繁殖します。
 スギゴケなどの蘚類は日本庭園等では珍重されることもありますが、除草剤でも枯れない苔類は邪魔者扱いされることが多く庭の嫌われ者です。
(*写真をクリックすると拡大されます)

ゼニゴケ1-1

ぜにごけ2
▲地上に広がったゼニゴケ
▲ゼニゴケの雌器托と雄器托
ぜにごけ1
▲ゼニゴケの杯状体


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