ホタルガ(№329)

 晩春、低木として密植したハマヒサカキが虫に食べられ丸坊主になったとの連絡で現地を見たところ、黒い頭、黄色地に黒い縁取りの入った目立つ幼虫がたくさん見られました。これはホタルガの幼虫です。
 成虫は前翅長25mm前後の、マダラガ科のホタルガで成虫は昼間に飛ぶ蛾です。夜間には灯火に集まります。止まったとき、三角の黒い翅(前翅)の後部に白い帯が走り、頭部は赤く、立派な触角を持った蛾で比較的目立ちます。また、ゆっくり飛ぶため、人目に触れやすい蛾といえるでしょう。幼虫はツバキ科のハマヒサカキや近縁のヒサカキ、サカキ、ニシキギ科のマサキなどを食害する害虫です。毒針毛(毒のある毛)は持ちませんが、体液を出しこの液に触れると人によってはかぶれることもあります。成虫も体内に毒を有するようで、昼間ゆっくり飛び、成虫や幼虫の体の模様が目立つ仲間は毒をもつ傾向があります。また、マダラガ科の蛾類には有毒なものが多いです。

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▲ホタルガ幼虫によるハマヒサカキの被害
▲ハマヒサカキを食べるホタルガ幼虫