クロバネキノコバエの仲間(№.332) 

 雨上がりのカラー舗装したアスファルトの上を、スマートなナメクジ?が急ぎ足で横切るのに出くわしました。ところがこのナメクジ今までに見たことがない長さ、細さ、体中のまだら模様、所々に突起物。これ何?思わず地面に顔を近づけてびっくり。長さ1cm程度のウジムシ集団、おそらく100匹以上の集団でしょうがお互いに連なって、重なり合い、細長いナメクジ様の物体を形作り、あたかも1匹の細身ナメクジが移動しているような動きを見せているのです。まだら模様はウジムシのすけた体を通して見える消化器官と黒くつやのある頭部が模様に見え、突起物に見えたのは、所々で頭を持ち上げた1匹がそのように見えたのです。このウジムシ集団を率いるのはやはり先頭の1匹なのでしょうか。またどこへ、何を求めて移動しているのでしょうか。
 このウジムシの正体はクロバネキノコバエの仲間だと推定されました。このキノコバエの仲間は成虫の大きさ3~4mmと非常に小さく、梅雨時期に突然大発生し、発生の時間帯も午前5:00~10:00に集中します。このハエは人間に対し刺したり吸ったりすることもなく無害ですが、小さいため、扉や窓の隙間から室内に大量に侵入する不快害虫の範疇に入るものです。これまでに静岡、愛知、岐阜、京都、広島等で大発生し問題になっています。特に食品会社では、この昆虫が異物として混入することで商品を廃棄しなければならない事態や、給食センターに大量に進入したためセンターを一時閉鎖するなどの被害が出ています。
 キノコ栽培地ではキノコを食害する害虫として問題になっていますが、その生態や防除法については未知な点が多く謎の多い昆虫の一つです。
 

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▲細身のナメクジ?
▲ウジムシ集団でした。


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